人工乾燥木材は必要?

エヴァホームの浅井です。

 

2年前に、建築予定のお施主様と都城森林組合の製材所見学に行きました。

そのとき、都城近辺の工務店の中では、

我が社が一番多くの乾燥材を使っていると言われました。

 

正確にいえば、当時、構造材から羽柄材(根太・間柱・垂木等)まで

乾燥材を使っている工務店は本当に少なかったのです。

なぜ、最近の家は人工乾燥材を使わなくてはならないの?

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以前は、本格的な在来工法による住宅を建てる場合、

予め原木を手当し、ある程度乾燥してから製材して使いました。

 

また建築に際しても、建前が済んで屋根付き、軸組された状態で

数ヶ月放置し、材料が十分乾燥してのち、緩み・狂いなどを

矯正してから内装工事にはいることが行われてきました。

 

しかし、現代では建築の工期の大幅な短縮が要求されるようになり、

乾式工法の採用とともに、十分乾燥する前に仕上げ工程に

入ることが多くなりました。

結果として木材の収縮・狂いなどによる建具の立て付け不良、

クロスの裂け・しわの発生、床鳴りなどが顕在化してきました。

 

さらに、空調設備の普及により室内の木材の含水率が一層低くなってきたこと、

高気密・高断熱の性能に対する要求が強まってきたことに対応するために、

寸法精度の高い、より安定した乾燥材が必要になってきました。

天然乾燥では長時間を要するだけでなく、天候に左右されますし、

ある断面以上の材では含水率20%まで乾燥することさえ容易ではありません。

 

しかし、住宅の使用木材が最終的に到達する含水率は15%ないしそれ以下なので、

少なくても20%以下、できれば15%程度まで乾燥した材が望ましいわけです。

このような乾燥材を計画的に生産するためには、人工的に温度・湿度を調節し、

必要な量を所定の含水率状態に乾燥できる人工乾燥が不可欠なのです。

現代の家造りでは、1年以上の時間をかけて作ることがありません。

多分、今後も家造りが昔に戻ることは無いと思います。

そのような時代の要請が「木材の人工乾燥」です。

 

2010年3月12日

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