株式会社浅井建設

工法について

在来工法の危機

伝統建築には、その土地の気候に合わせた工夫や工法が古来より用いられてきました。日本の伝統建築の特徴は、暑さに対し風通しのよい構造や設計にすることで、蒸し暑い夏を過ごしやすくしています。しかし、その一方で、寒さ対策をしていなかったという問題もあります。

 

日本の住宅は、家全体を暖めるという概念を持たなかったため、個々の部屋で採暖するための囲炉裏や火鉢を準備するといった対策しかしていなかったのです。つまり、必要な部屋だけ採暖し、家全体を暖房するという考えがなかったと言えます。

 

これは、現在にまで引き継がれることになり、ほとんどの人が冷暖房と言えば、個々の部屋で行うことが当たり前と考えてしまい、日本の住宅の悲劇(結露とシックハウス問題)が起こってしまったのです。

結露の原因

結露の原因

近年、特に1980年代のオイルショック以後に建てられた住宅は、急ごしらえの省エネ思想の下に、湿気対策の無い断熱性を重視していました。また、平行しておこなわれた冷暖房機器の普及により、住宅では夏冬の室内外の温度差が絶えず最大になるような生活が一般化してしまいました。つまり、室内外の温度差が大きくなり、個室ごとを空調するといった考えで空気が動かず滞留する状態をつくる、いわば「結露製造器」のような状態になっているのです。

こうして、在来工法のままで、従来どおりの断熱材を押し込んで家を造ることにより、あちこちで結露が発生し、特に壁内部では腐朽菌が繁殖しやすい状態になってしまい、シロアリ、カビ、ダニなどが大繁殖しやすい状態になっているのです。つまり、冷暖房機器の普及により、住宅は結露、湿度対策が不完全な工法になってしまったのです。

 

国民生活が戦前のような、窓を開け放った生活様式に戻れば何ら問題はないのですが、さすがにそれは無理な話です。ですから、今日の生活様式に合わせた工法への変化が必要になっています。家を造る仕事に従事しているならば、人が健康に暮らすため、家が長持ちするために、結露を起こさない「断熱と気密、換気計画」を施した構造の家にすることが今後の家造りの基本であり最重要課題と認識すべきです。

高断熱・高気密・換気計画

健康住宅にするための基本が「高断熱・高気密・換気計画」であることは述べました。 さらに時代の流れとして、1980年代のオイルショックから「省エネ思想」が生まれ、「断熱」が国策となりました。また、近年では「温暖化防止」という待ったなしの状況により、住宅は「高気密・高断熱」を一層進め、消費するエネルギーをさらに削減しなければならない状況になりました。

省エネ1

次世代省エネ基準では、住まいの基本的な考え方(コンセプト)を、「閉じることと、開くことの兼備」とした点がこれまでとは異なります。「閉じる」とは、断熱・気密化のことを指しています。よりエネルギー効率の良い住宅(ロスを減らす住宅)を建てるために断熱化が進み始めたのです。しかし、断熱化の流れは厳しい寒さをしのぐために、まず寒冷地で広まり、日本では北海道だけが一足早く世界レベルの基準に達しました。

省エネ2

一方、温暖な地域では「夏もあるし、冬もある」ということで決断が遅れ、断熱・気密化が進展しなかったとも言えます。しかし、温暖地でも必ず何らかの暖房は行っているし、エアコンはほとんどの家庭に普及しています。 冷暖房が前提のもとでは、「開いた」ままで「閉じること」が出来ない住宅は、エネルギー効率が極端に悪い住宅になります。また、熱効率が悪いばかりでなく断熱・気密・換気の意識の無い家では結露が発生し、「不健康住宅」になってしまいます。

伝導・輻射・対流

熱の伝わり方の要素は、伝導・輻射・対流があります。断熱材は熱の伝導を妨げることで冷暖房効果を上げようとしています。もうひとつ考えなければいけないことに輻射があります。 熱の伝わる要素としては、伝導よりも輻射のほうが大きいという結果報告があります。つまり、暑さ対策としては輻射熱を遮る工夫をすること、つまり「遮熱」をすることで、家を効率よく断熱をすることができるのです。

エヴァホームの対策

高断熱1

エヴァホームでは、「高断熱・高気密・換気計画」の基本的な性能を確保するための工法として、「基礎」では、地面からの水を防ぐために塩ビシートを敷き込みます。その上をベタ基礎にして大地からの水蒸気の発散を防ぎます。

「構造材」は乾燥木材か集成材を使用して、入居後の水分の発散を削減します。「開口部サッシ」には結露しやすい金属よりも樹脂、あるいは木製サッシを採用し、ガラスは遮熱ガラスを外側に設置し、複層ガラスを推奨します。

断熱

家づくりの素材はできるだけ自然のものを使うという原則により、断熱材は新聞紙をリサイクルした「セルロースファイバー」の吹き込み工法を採用しています。これは透湿性があるため、防湿シートを使わない充填断熱材(呼吸が出来る家)として唯一のものであり、20年間の無結露保障がされているものです。

エヴァホームでは、今から10年以上前の2007年に建築させていただいた住宅で、気密を示すC値において、セルロースファイバーと樹脂サッシの組み合わせで「1.54」という数値を既に計測しています。次世代省エネ基準で北海道における気密住宅のC値は「2以下」となっていますので、自然素材の断熱材を使って健康にも配慮しながら、優れた数値をクリアしていると考えていただいて良いと思います。

屋根では、軒を深くすることで真夏の日射進入を防ぎ、棟換気をできるだけ長く取ることで、壁や屋根の隙間を流れる風を大きくして、壁面や屋根面に熱が溜まるのを少なくしています。さらに、屋根面や西面などの太陽の熱が集中する部分には、遮熱シートを貼ることで小屋裏の温度を10℃は下げ、快適な夏場の環境を作り出しています。

 

さらに、24時間換気システム「澄家(スミカ)」では、床下空間に吸気口と排気口を設け、排気管に透湿ダクトを使うことで「夏場の床下の除湿効果」「夏冬の地中熱利用の熱交換で、冷暖房の省エネ効果」を実現しています。 さらに、24時間換気での床下からの廃熱を利用してエアコンなどのコンプレッサーの熱効率を上げることも考えられます。

工法や構造材は、いろいろな商品や素材がありますが、エヴァホームでは、地域や風土、快適な暮らしが実現できるために必要なものを厳選し、家族の健康に配慮したものを使用しています。